広島高速交通株式会社 平成28年度決算状況

(1)事業報告 
 
 
開業23年目を迎えた当期におきましては、平成26年1月に策定し、平成29年1月に見直しました「今後の経営展開-経営改善計画-」に基づき、需要創出をはじめとした活動を展開してまいりました。

 当期の輸送人員につきましては、平成27年3月開業いたしました新白島駅を経由する新たな利用の広がりを背景にして、定期につきましては、当社沿線人口が引き続き増加基調であったこと、また、定時・安全輸送継続への評価もあり、通勤定期、学生定期ともに利用が年間を通して好調に推移したことから、合計で7.8%の増加となりました。また、定期外につきましては、前期のロングラン公演、野外コンサート開催の反動減などがありましたものの、広島東洋カープの25年ぶりのリーグ優勝及び優勝パレードに伴う買い物や外出利用、Jリーグ観戦や全国高校総体などのイベント及び予想される輸送需要に対応した広報や列車増発等を行い、合計で0.4%の増加となりました。この結果、年間輸送人員は2,310万8,814人と前期に続いて2千万人を越えました。
 また、1日平均で63,312人となり、前期と比較して1日平均で2,534人、4.2%の増加となりました。

 運輸収入につきましては、年間で43億6,693万円、1日平均で1,196万円となり、前期と比較して1日平均で34万円、3.0%の増加となりました。また、運輸雑収は広告料の減少により、1.9%の減収、付帯事業収入は0.5%の減収となり、この結果、営業収入合計では1億793万円、2.2%増加の50億2,243万円となりました。
 これに対し、営業費用につきましては、諸費用の節減に努めましたが、施設・設備・車両の長寿命化を目的とした点検・修繕や老朽化設備の更新に伴う固定資産の除却が嵩んだことなどにより、前期と比較して1億8,321万円、4.3%増加の43億9,513万円となりました。この結果、営業損益は、前期より7,527万円減少し、6億2,730万円の利益となりました。また、営業外損益は、前期より2,889万円改善し、4,863万円の損失となりました。この結果経常利益は5億7,866万円となり、前期より4638万円の減益となりました。法人税等の控除、調整後の当期純利益は3億9,597万円となり、前期より1億5,477万円、28.1%の減益となりましたが、5期連続の単年度黒字となりました。期末の累積損失は100億6,213万円となり、6,213万円の債務超過の状態となっております。

 輸送の安全確保への取組みとしては、社内の運輸安全マネジメント委員会において、前期に引き続き「事故・輸送障害・インシデントの発生ゼロ(ヒューマンエラーによる事故等の撲滅)」「事故の芽の効果的な摘み取り」「熟練社員の退職に備えて中堅社員への知識・技能力の継承」を安全重点施策として設定し、各職場において取組目標を定めて訓練や研修を実施し、各種活動を展開いたしました。この結果、運転事故を発生させることはありませんでした。

 これからも安全を最優先として、お客様に安心・快適にご利用いただける公共交通機関であるために、役社員一丸となって輸送品質に磨きをかけるとともに、事業環境の変化にも柔軟に対応しつつ、業績向上に取り組んでまいります。



【参考】 新白島駅ご利用者数
〔平成28年4月1日〜平成29年3月31日(365日)一日平均〕
乗 車 5,425人
降 車 5,515人
10,940人



(2)運輸成績
   

区     分

平成27年度 平成28年度
年  間 1日平均 年  間 1日平均

輸 送 人 員

定 期

11,332,542人 30,963人 12,181,406人 33,374人

定期外

10,912,364人 29,815人 10,927,408人 29,938人

22,244,906人 60,778人 23,108,814人 63,312人

運 輸 収 入

定 期 1,583,893千円 4,328千円 1,700,863千円 4,660千円
定期外 2,669,023千円 7,292千円 2,666,067千円 7,304千円
4,252,916千円 11,620千円 4,366,930千円 11,964千円
運 輸 雑 収 197,204千円 539千円 193,418千円 530千円
収 入 合 計 4,450,120千円 12,159千円 4,560,348千円 12,494千円



(3)貸借対照表(平成29年3月31日現在)                            
                                              (単位:千円)
資産の部 負債の部
流動資産
  現金・預金
  未収運賃
  未収金
  未収収益
  貯蔵品
  前払費用
  その他の流動資産

固定資産
  鉄軌道事業固定資産
  付帯事業固定資産
  建設仮勘定
  投資その他の資産
   長期前払費用
   その他の投資等

3,571,656
3,103,495
80,000
166,451
4,866
173,523
9,126
34,192

31,963,618
31,206,929
112,654
229,354
414,680
404,792

9,887
流動負債
  短期借入金
  1年以内返済長期借入金
  未払金
  未払費用
  未払法人税等
  未払消費税等
  預り連絡運賃
  前受運賃
  前受金
  賞与引当金
  その他の流動負債


固定負債
  長期借入金
  長期未払金
  退職給付引当金
  繰延税金負債
  その他の固定負債
17,373,759
15,500,000
97,663
623,053
69,593
181,106
47,118
126,028
177,390
219,066
121,824
210,914


18,223,648
15,343,859
1,848,206
898,785
76,694

56,102
 負債合計 35,597,407
純資産の部
株主資本
資本金
利益剰余金
 その他利益剰余金

  繰越利益剰余金
△62,132
10,000,000

△10,062,132

△10,062,132
△10,062,132
純資産合計 △62,132
資産合計 35,535,275 負債・純資産合計 35,535,275
(注)記載金額は、千円未満の端数を切り捨てております


(4)損益計算書(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)            
                                                         (単位:千円)
科目 金額
経常損益の部 営業損益の部 鉄軌道事業
  営業収益
  営業費
  営業利益

付帯事業
  営業収益
  営業費
  営業利益

全事業営業利益

4,560,348
4,043,927



462,090
351,202




516,421





110,887

627,308
営業外損益の部 営業外収益
  市補助金 ※1
  その他の収益

営業外費用
  支払利息
  長期前払費用償却
  支払手数料
  その他の費用

2,949
14,560


37,465
16,800
10,850
1,033



17,510





66,150
経常利益   578,668
税引前当期純利益   578,668
法人税、住民税及び事業税   182,762
法人税等調整額 △64
当期純利益   395,970
(注)記載金額は、千円未満の端数を切り捨てております。
※1 地下鉄区間インフラ部整備に係る借入金利子補助金です。

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